公益財団法人てんかん治療研究振興財団 理事長 木村 徹 |
てんかん治療研究振興財団は、昭和62年9月24日に旧大日本製薬株式会社の90周年を記念する事業の一環として設立され、平成22年10月より移行認定を受けて公益財団法人として活動しております。
当財団は、「てんかんに関する分野の基礎研究、臨床症状・発作抑制手段の研究および薬物開発のための研究を助成および表彰することにより、この分野の治療研究の振興を図り、もって国民の保健と医療に貢献する」ことを目的としております。
現在、主な事業として、助成事業では研究助成・海外留学助成・招日研究助成を実施しており、表彰事業では研究功労賞と研究褒賞の授賞を行っております。また、これらの公表の場としての研究報告会を毎年3月に開催しております。
てんかんは、乳幼期や高齢期に多く発症し、国内の患者数も100万人と推定され、誰でもが体験する可能性のある慢性の疾患といわれております。しかし社会に認知されている疾患とはいえ、その成因や病態はいまだ解明されていない部分も多く残されており、約30%の患者様が発作コントロールに苦しんであるのが現状で、さらなる成因・発症機序の解明と治療法開発の進展が強く望まれています。ここ四半世紀でてんかん治療の進歩は目を見張るものがありましたが、近年の再生医療など生命科学分野における進歩は目覚しいものがあり、てんかん治療の発展も大いに期待されるところであります。
これからも、本財団の活動がてんかん治療の振興と発展の一助となり、多くの患者様に福音をもたらす活動となるように努めてまいりたいと存じます。今後とも変わらぬご支援ならびにご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。